- Live2DでVTuberとして活動したい
- おすすめのトラッキングソフトを知りたい
- スマホでアバターを動かして配信したい
VTuberの需要が増加している一方、Live2Dモデルを動かせるトラッキングソフトはあまりリリースされていません。VTuberになってみたいと思っても、選択肢が少ないのが現状です。
特に初心者の方は「どのソフトを使えばいいのか」「自分にも扱えるのか」と不安になってしまいますよね。
本記事で紹介するVTube Studioは、簡単操作でLive2Dアバターを動かせるトラッキングソフトです。
- 無料でも利用できる
- 顔バレの危険性が限りなく低い
- 有料版は買い切りで一度購入すればずっと使える
上記のメリットがあり設定項目も少ないので、VTuber初心者にもおすすめです。
記事内では、VTube Studioの基本的な使い方からOBS Studioを使った配信方法まで、VTuber配信に最低限必要な項目を厳選して解説しています。
実際の画像を使って分かりやすく紹介しているので、これからVTuberしたい方はぜひ参考にしてください。
※本記事ではWindowsPCとiPhone12を使って設定しています。
VTube Studioのダウンロード方法
VTube StudioはSteam経由でダウンロードするのがおすすめです。くわしい手順を解説します。
1.SteamでVTube Studioをダウンロード

Steamのダウンロードページから、VTube Studioの有料版もしくは無料版をダウンロードします。今回は無料版を紹介するので、上記画像を参考に「無料」をクリックしてください。

有料版を購入する前に無料版でお試し利用してみよう!
2.SteamをPCにインストール


VTube StudioをダウンロードするためにはSteamを PCにインストールしなくてはいけません。Steamアカウントの作成については割愛するので、事前にインストールしておいてください。
今回は「はい、Steamはインストールされています」をクリックします。
3.起動して「Install」をクリック


VTube Studioのダウンロードが完了したらアプリケーションファイルを開いて起動します。説明や規約に同意して「Install」をクリックすると PCへのインストールが始まります。
ファイルをダウンロードしただけではVTube Studioを使えないので注意してください。
4.「Finish」をクリック


インストールが完了したら「Finish」をクリックします。
ほとんどのPCでは自動でデスクトップアイコンが表示されますが、見つからない場合はPC内検索で探してみてください。
VTube Studioのモデル導入方法
VTube Studioでオリジナルモデルを表示させる方法を紹介します。
なお、本記事ではタルタルプロシューさんの有料モデルを利用して解説しています。
1.人型アイコンをクリック


VTube Studioを起動すると上記画面が表示されます。
画面をダブルクリックするとメニューが表示されるため、1番上の人型アイコンをクリックしてください。
2.「自分のモデルをインポート」をクリック


人型アイコンをクリックすると利用できるLive2Dモデルが一覧で表示されます。
オリジナルアバターを使う際は、1番左にある「自分のモデルをインポート」をクリックしてください。
3.「フォルダを開く」をクリック


上記画面が表示されたら「フォルダを開く」をクリックします。
次の操作をスムーズに進めるために、Live2Dデータが保存されているフォルダを別のウィンドウで開いておいてください。
フォルダを選んで右クリック>新しいウィンドウで開くをクリックすればウィンドウを2つ表示できます。
4.Live2Dデータを指定フォルダに保存


VTube StudioにLive2Dモデルを導入するためには、指定のフォルダ内にLive2Dデータを保存しなくてはいけません。
具体的には、Live2Dデータが入ったフォルダをコピーして、ステップ3で開いたフォルダ内に貼り付けます。
ファイルごとに保存すると上手く反映されないので、必ずフォルダごとコピーしてください。
5.少し時間をあけて人型アイコンをクリック


Live2Dデータを指定のフォルダに保存できたら、5〜10秒ほど時間をあけて再度人型アイコンをクリックします。
上記画像のように、一覧に新しいモデル名が表示されていれば導入成功です。
VTube Studioでアバターを動かすための設定


VTube Studioでモデルを読み込むだけでは、VTuberとしてアバターを動かせません。ここでは、VTube Studioでアバターを動かすために必要な設定を紹介します。
オートセットアップ


アバターを導入できたら、最初にオートセットアップするのがおすすめです。
オートセットアップとは、作者が設定したLive2Dのパラメータを自動で反映してくれる機能です。
作者によって各パーツの適切なパラメータが異なるため、アバターをきれいに動かしたい場合はオートセットアップ後に詳細設定してください。
カメラ設定
VTube Studioでは、Webカメラの映像に合わせてアバターを動かしています。カメラ設定しないとアバターが止まったままなので、必ず設定してください。
具体的な手順は以下の通りです。


設定のカメラマークから「カメラを選択する」をクリックします。設定項目が4つあるため、以下の通り設定してください。
- 使いたいWebカメラを選択
- 解像度を1280×720に設定
- フレームレートを30に設定
- フォーマットをMJPEGに設定
「カメラを選択する」の欄に指定したWebカメラの情報が表示されていれば接続成功です。


Webカメラの設定が完了したら「カメラON」をクリックします。アバターが動き始めたら正常に設定できている証拠です。


「カメラON」をクリックすると、カリブレーション画面が表示されます。
カリブレーションとは、顔の動きをより正確に反映させる機能でVTube Studioでも推奨されています。
具体的には、以下の項目に注意して設定してください。
- 5秒以上顔を動かす
- 目や口、眉を大きく動かす
ウインクや笑顔を読み取らせることでトラッキング精度が向上します。
最後に、正面を向いて真顔で「カリブレーション」をクリックすれば設定終了です。


「オートスタート」にチェックを入れると、次回起動時に自動でカメラがONになります。毎回「カメラON」をクリックするのが面倒な場合は設定しておきましょう。
ガチ恋距離の設定


ガチ恋距離とは、通常よりアバターを大きく表示する配信方法です。ガチ恋距離をオンにしていると、アバターが前後左右に大きく動いてしまいます。
動きが大きすぎると視聴者から見にくくなってしまうため、設定をオフもしくは低い値を指定するのがおすすめです。
人型アイコンから設定できるので、実際の動きを見ながら調整してください。
キーバインド設定
キーバインドとは、指定の組み合わせでキーボードを押すことで、登録済みのエフェクトや表情を表示できる機能です。
VTuber配信では、全ての表情や動作をカメラが読み取ってくれるわけではありません。そのため、あらかじめキーバインドを設定しておいて、状況に応じて表情やエフェクトを使い分けるのがおすすめです。
具体的な設定方法を紹介します。


設定から動画アイコンをクリックします。今回は、アバターの作成者さんが登録していたキーバインドをもとに変更していきます。


登録済みのキーバインドから変更したいものを選んで「+」をクリックします。


すでにキーの組み合わせが指定されているので、変更したいキーを選んで横にある「REC」をクリックしてください。


上記画面が表示されるため、登録したいキーを押してください。
実際に登録したキーの組み合わせで、特定のエフェクトが表示されれば設定完了です。
キーバインドは、ゲームや配信で絶対に利用しない組み合わせで設定しておきましょう。
使いやすい設定は一人ひとり異なるので、好みのキーを割り当ててください。
新しく登録したい場合は一番下の「+」ボタンから作成できますが、知識がない初心者には難しいので触らないで起きましょう。
VTube Studioのスマホ連携方法


VTube Studioのスマホアプリを使えば、Webカメラがなくてもアバターを動かせます。
ここでは、Wi-FiでPCと連携してアバターを動かす方法を紹介するので参考にしてください。
なお、PCと連携して動かす場合はスマホにアバターをアップロードする必要はありません。



USB接続でも連携できるよ!
1.スマホアプリをダウンロード
VTube Studioのアプリをダウンロードします。
AndroidやiPhoneX以前のモデルではアバターがきれいに動かない可能性があるので注意してください。
2.PC版でカメラをオフに設定


PC版で設定のカメラマークからカメラ設定をオフにします。
Webカメラがオンになっていると、設定が残りスマホでアバターを動かせないので注意してください。
3.PC版で「サーバーを起動する」をクリック


アプリを起動した状態でPC版VTube Studioを開き、設定の歯車アイコンから「スマホ接続(WiFi)」を探してください。
「サーバーを起動する」のチェックをオンにしたらスマホアプリに移動します。
4.スマホアプリで「サーバーを探す」をタップ


スマホアプリでも同様に、設定の歯車アイコンから「PC/Mac接続設定(WiFi)」を探して「サーバーを探す」のチェックをオンにします。
5.IPをスキャン


「サーバーを探す」をタップすると自動的にIPスキャンが始まります。IPが検出されたらPC版で「IPを示す」をクリックし、検出されたIPと見比べてください。
PC版とアプリで検出したIPが一致していたら「このIPを使う」をタップします。
6.「PCと接続する」をタップ


アプリで「PCと接続する」をタップします。
ステータスが緑になり「接続しました」と表示されたら成功です。PC版でも同様に接続の表記が出ているかチェックしましょう。
7.PC版でアバターが動くかチェック


今回はスマホ版にアバターをアップロードしていないため、アプリにアバターが表示されていません。PC画面にはアバターが映っているので、スマホを見ながら正常に動くかチェックしてください。
スマホ上では暗いトップ画面が表示されますが、問題なくアバターを動かせます。
VTube StudioからOBS Studioで配信する方法


VTube Studioのアバターで配信するためには、OBS Studioをはじめとした配信ソフトを利用しなくてはいけません。
OBS Studioとは、企業VTuberやストリーマーに愛用されている無料の配信ソフトです。
ここではOBS Studioを使った配信画面のつくり方を紹介します。



雑談配信を例に解説するよ!
1.背景の透過設定


VTube Studioトップ画面の写真マークから「Color Picture」をクリックして「透過」をオンに設定します。
VTube Studioでは、クロマキー合成せずに背景を透過できます。OBS Studio以外で配信する際はクロマキー合成が必要な場合もあるので、状況に応じて背景を緑や青に変更してください。
2.OBS Studioを起動


VTube Studioを開いた状態でOBS Studioを起動します。
3.シーンを作成


OBS Studioを起動すると上記画面が表示されます。右下の「シーン」から「+」をクリックして新しいシーンを作成してください。
シーンとは、配信画面に必要な素材をまとめて保存しておける機能です。
4.ソースを作成


先ほど作成したシーンに新しいソースを追加します。
ソースとは、背景やアバターといった配信画面をつくる1つひとつの素材です。たとえば、配信画面にアバターや背景を表示する際は、それぞれ別のソースとしてアップロードします。
VTube Studioのアバターを表示させる手順は以下の通りです。
- 画面下の「ソース」から「+」をクリック
- 「ゲームキャプチャ」を選択
- 「新規作成」にチェックを入れて名前を入力
- 「ウィンドウ」からVTube Studioを選択
- 「透過を許可」にチェックを入れて「OK」をクリック
OBS Studioの画面にアバターが表示されればキャプチャ成功です。VTube Studioの透過を使う場合は「ゲームキャプチャ」を選択してください。
5.アバターのサイズと位置を調整


ステップ4の段階では、アバターが画面全体に大きく表示されています。以下の操作でアバターサイズを調整できるので、好みのサイズと配置を設定してください。
アバターの位置変更 | アバターをドラッグ |
アバターのサイズ変更 | Altキーを押しながら画面端の四角をドラッグ |
実際の配信ではアバターを前後左右に動かすので、余白を少し広めに設定しておくのがおすすめですよ。
6.背景のソースを追加


VTuber配信では、アバターと一緒にゲーム画面や雑談背景を表示します。
ここでは雑談背景の追加方法を紹介しますが、どんな素材を表示する際も大まかな手順は変わりません。具体的な背景設定は以下の手順で進めてください。
- 画面下の「ソース」から「+」をクリック
- 「画像」を選択
- 「新規作成」にチェックを入れて名前を入力
- 画像ファイルを選択して「OK」をクリック
ゲーム配信の場合は「ウィンドウキャプチャ」を選択してください。
7.レイヤーの順番を変更


背景を表示すると、同時にアバターが画面から消えてしまいます。この現象は、OBS Studioで複数の画面(レイヤー)を重ねて表示していることが原因です。
今回は背景の上にアバターを表示させたいため、VTube Studioのソースをドラッグして背景の上に配置します。
消えていたアバターが表示されたら配信画面の準備は完了です。
OBS Studioでは「ソース」欄で上に表示されているほど画面上で優先的に表示されます。
準備ができたら、以下の記事を参考にして配信開始してください。


VTube Studioのパラメータ設定
アバターの作成者や個体ごとにパラメータの適正値が異なります。そのため、アバターの動きに問題がある、もしくはもっときれいに動かしたい場合は、個別にパラメータを設定しなくてはいけません。
しかし、Live2Dの知識がない方にとっては難易度が高い作業です。



初心者が細かく設定するなら変更前の値をメモしておくのが大切!
どうしても変更したい場合は、Live2Dモデルを依頼した作成者に問い合わせましょう。
自分で設定したい方のために、パラメータ設定の分かりやすい動画を添付しておくのであわせて参考にしてください。
アバターが勝手に片目を閉じてしまう場合の設定


アバターを動かしている時に頻繁に片目を閉じてしまう場合は、トラッキング設定を見直しましょう。
設定からカメラアイコンをクリックし、トラッキング設定の項目「まばたきをリンクする」を「常にリンクする」に変更します。簡易的な設定ですが、ほとんどの場合はこれだけで改善されます。
万が一改善されなかった場合は、詳細パラメータを設定する必要があるので以下の見出しを参考にしてください。
口や目がビクビクしてしまう場合の設定


口や目がビクビクと動いてしまう場合は、各項目のスムージングを強くすることで改善する可能性があります。
上記画像を参考にしてスムージングの値を調整してみてください。



値を大きくしすぎると口や目が閉じにくくなる可能性があるから注意!
アバターの目や口、体が上手く動かない場合の設定


すでに紹介した方法でもアバターの動きが改善しない場合は、パラメータを細かく調整する必要があります。設定から人型アイコンをクリックして、赤い丸を目安に編集してください。
詳細に設定したい項目は以下のとおりです。
パラメータ名 | 内容 |
---|---|
Eye Open Right | 右目の開閉 |
Eye Open Left | 左目の開閉 |
Mouth Open | 口の開閉 |
Mouth Smile | 笑ったときの口の形 |
Body Rotation X | 体の左右向き |
Body Rotation Y | 体の上下位置 |
Body Rotation Z | 体の前後傾き |
Live2Dモデルの作成者によって統一されていないパラメータ名もあります。アバター作成を依頼した場合は、詳しい設定も含めて個別に聞くのがおすすめです。
VTube Studio無料版と有料版の違い


VTube Studioは、PCとスマホで別の有料版がリリースされています。
以下にそれぞれの機能を解説するのでご覧ください。
PCの有料版でできること
PCの無料版では、左下に飛んでいるキャラクター(あかりん)が表示されています。
あかりんには透かしやウォータマークとしての効果があるため、表示させたくない場合は1,520円で「VTube Studio – Remove Watermark」を購入しましょう。
スマホの有料版でできること
スマホの有料版は、3,800円買い切りで以下の機能が追加されます。
- ロゴの透過
- PCとの接続
- 商用利用の許可
- アプリ内からの録画機能
PCと接続するためには有料版に切り替える必要があるので、無料版で動作確認した後に有料版を購入しましょう。
無料版でも5分間PC接続できるので、動作確認用として利用できます。
まとめ:VTube Studioは無料でも使える初心者向けVTuberソフト
本記事では、Live2Dアバター専用のトラッキングソフト「VTube Studio」の使い方から配信方法まで詳しく解説しました。
VTube Studioは多くのVTuberに利用されているソフトで、有料版が1,520円買い切りという点でも評価されています。
スマホアプリで動かしたい場合は、別途3,800円かかります。
初期費用は少しかかるものの、初心者が簡単にアバターを動かせるソフトは数えるほどしかありません。
PC版であれば無料で多くの機能を利用できるので、VTuber配信したい方はまず無料版から試してみてください。
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