
- VTuber配信の詳しい手順を知りたい
- PCからVTuber配信する際に必要な機材を知りたい
- VTuber動画を録画して投稿したい
VTuber配信には複数のソフトや準備が必要で「ボタン1つで配信」といった簡単なものではありません。
アバターの動かし方や配信ソフトの設定など、配信開始するまでに多くの手間や労力がかかってしまいます。
本記事では、もっとも一般的な「PC+Webカメラ」の方法を例に、VTuber配信の具体的な手順について解説しています。
知識0の初心者でも手順通り進めるだけでVTuberになれるので、ぜひ参考にしてください。
VTuber配信に必要な機材やソフト
PCとWebカメラでVTuber配信する際は、以下の機材やソフトを用意してください。
- PC
- Webカメラ
- マイク
- モーションキャプチャーソフト
- OBS Studio
配信内容や質向上のためにおすすめの機材はほかにもありますが、ここでは最低限必要な機材やソフトを紹介します。
1.PC
VTuberのほとんどはPCを使って配信しています。
しかし、VTuber配信は普通の配信に比べてPCにかかる負荷が大きいため、快適に配信したければ高スペックPCを用意しなくてはいけません。
ゲーミングPCを用意するのが理想ですが、それなりのスペックがあればノートPCでも配信や動画作成できるので手持ちのPCで一度試してみてください。
ポイント
録画の場合は配信よりもPCへの負荷が少ないため、比較的低いスペックでも活動できます。
2.Webカメラ
Webカメラとはリアルタイムの映像を配信できる機材で、PCでVTuberを動かすためには必須のアイテムです。
PC内蔵カメラでもアバターを動かせますが、画質が悪く画角調整もできません。
特にVTuberにとって顔のトラッキングはとても重要で、画角調整できないとアバターの動きが悪くなる可能性もあります。
5,000円程度のものでも十分利用できるので、VTuber配信をする際は外付けのWebカメラを購入するのがおすすめです。
3.マイク
VTuber配信する際は外付けのマイクを用意しましょう。
内蔵マイクやイヤホン、ヘッドホンでも音声を配信できますが、雑音を拾ってしまうことが多く音質も悪いため配信向きではありません。
配信向きのマイクは複数ありますが、初心者の場合はUSBタイプのコンデンサーマイクがおすすめです。

雑音や声の聞き取りづらさはユーザーの離脱に直結するからマイクは必須だよ!
4.モーションキャプチャーソフト
VTuberのアバターはモーションキャプチャーソフトを使って動かしています。
モーションキャプチャーソフトには2D用と3D用があり、アバターの種類によって使い分けが必要です。
しかし、モーションキャプチャーソフト単体ではアバターを動かせません。
実際に配信する際は、Webカメラとセットで使わなくてはいけないため注意しましょう。
5.OBS Studio
VTuber配信では、アバターや背景といった複数の画面を同時に表示しなくてはいけません。
そのため、ほとんどのVTuberが配信ソフトを利用しています。
ポイント
企業勢VTuberにも使われているもっとも人気の配信ソフトが「OBS Studio」です。
OBS Studioは無料でダウンロードできる上に、クロマキー合成や録画といったVTuberに必要な機能がたくさん搭載されています。
VTuberには必須のソフトなので、必ずダウンロードしてください。
ステップ1.動画サイトのアカウントを作成
VTuber配信するためには動画サイトのアカウントが必要です。
VTuberに利用されている動画サイトは複数ありますが、ここでは人気の動画サイトを3つ紹介します。
- YouTube
- Twitch
- ニコニコ生放送
各サイトのアカウント作成方法を解説するので参考にしてください。

今回はPCでアカウント作成する方法を紹介するよ!
YouTubeのチャンネル作成方法
YouTubeチャンネルを開設するためにはGoogleアカウントが必要です。
本記事では詳しく解説しませんが、配信用にプライベート以外のアカウントを作成しましょう。
step
1YouTubeにログイン
YouTube公式サイトにアクセスして、右上にある「ログイン」をクリックします。
YouTubeにログインするためにはGoogleアカウントが必要なので、あらかじめ用意しておいてください。
step
2YouTubeチャンネルを開設

Googleアカウントでログインすると、右上にユーザーアイコンが表示されます。
アイコンをクリックすると画像にあるメニューが表示されるため「チャンネルを作成」をクリックします。
step
3画像とチャンネル名を入力

チャンネルのアイコン画像とチャンネル名を入力します。
チャンネル開設後でも変更できるため、仮のチャンネル名を入力して「チャンネルを作成」をクリックしてください。
step
4チャンネルをカスタマイズ

チャンネルを作成すると上記画面が表示されます。
赤枠の「チャンネルをカスタマイズ」をクリックするとクリエイターツールが開くため、概要欄やバナー画像といったチャンネル情報を入力してください。
Twitchのアカウント作成方法
Twitchはゲーム配信の利用者が多い動画サイトです。
具体的な登録手順を紹介します。
step
1登録をクリック

Twitch公式サイトにアクセスして、右上の「登録」ボタンをクリックします。
step
2ユーザー情報を入力

登録をクリックすると上記画面が表示されるので、すべての情報を入力して登録してください。
step
3チャンネル情報を追加

右上のアイコンから「クリエイターダッシュボード」をクリックします。
左のメニュー「設定」から「チャンネル」をクリックすると、アイコン画像や紹介文を入力できるので設定しておきましょう。
ニコニコ生放送のアカウント作成方法
ニコニコ生放送はライブ配信が流行する前から利用されているため、配信好きの古参ユーザーが多いサイトです。
アカウント登録の手順を紹介します。
step
1ニコニコ会員登録をクリック

ニコニコ生放送公式サイトにアクセスして「ニコニコ会員登録」をクリックします。
step
2メールアドレスを入力

上記画面からメールアドレスを入力して「次の画面に進む」をクリックします。
SNSやGmailでも作成できるので好みの手段で登録してください。
step
3メールアドレス認証

入力したメールアドレスに認証メールが届くので、添付されているURLをクリックします。
step
4ユーザー情報を入力

メールのURLをクリックすると上記画面が表示されます。
ユーザー情報を入力すると確認画面が表示されるため、問題なければ「規約に同意し登録」をクリックしてください。
step
5プロフィールを追加

右上のプロフィールアイコンをクリックすると管理画面が表示されます。
管理画面から赤枠のアイコンをクリックするとプロフィールを追加できるため、配信を開始する前に設定しておきましょう。
ステップ2.VTuberアバターを動かす
VTuberを動かすためにはモーションキャプチャーソフトが必要です。
モーションキャプチャーソフトを選ぶ際は、2D、3Dそれぞれのアバターに適したものを選ばなくてはいけません。
おすすめのソフトは以下の通りです。
ソフト名 | 対応アバター | 特徴 |
---|---|---|
nizima LIVE | 2D | Live2D公式のトラッキングソフト |
VTube Studio | 2D | 買い切りで長く利用できる |
Animaze | 2D、3D | 2Dと3Dどちらでも利用できる |
各ソフトの詳しい使い方は別の記事で紹介しているため、上記表の「ソフト名」をクリックして設定の参考にしてください。
ステップ3.OBS StudioにVTuberを表示させる
モーションキャプチャーソフトの設定が完了したら、OBS Studioを使って配信画面の設定をします。
OBS Studio公式サイトにアクセスしてソフトをダウンロードしておいてください。
step
1OBS Studioを起動

モーションキャプチャーソフトを開いた状態でOBS Studioを起動します。
step
2シーンを追加

左下にある「シーン」から「+」をクリックしてシーンを追加します。
シーンとは、配信画面に必要な要素を1つにまとめたものです。
ポイント
たとえば、VTuberアバターと背景を1つのシーンにまとめておけば、次回から該当のシーンを呼び出すだけで配信画面が完成します。
新しく作成したシーンには分かりやすい名前をつけておきましょう。
step
3ソースを追加

画面下の「ソース」から赤枠の「+」アイコンをクリックします。
VTuberを表示させる際は、以下のソースから選択してください。
- ウィンドウキャプチャ
- ゲームキャプチャ
- 画面キャプチャ
トラッキングソフトごとに指定されたソースを選択してください。
基本的にはウィンドウキャプチャの使用をおすすめしますが、まれに画面が表示されないことがあります。
ウィンドウキャプチャで上手く表示されない場合は画面キャプチャを選択してください。
分かりやすい名前を入力したら「新規作成」と「ソースを表示」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
step
4ウィンドウを選択

上記画面が表示されたら「ウィンドウ」から利用したいモーションキャプチャーソフトを選択します。
モーションキャプチャーソフトで透過設定できる場合は「透過を許可」にチェックを入れてください。
「OK」をクリックするとOBS Studioの画面にアバターが表示されます。
ステップ4.クロマキー合成でアバター背景を透過
クロマキー合成とは背景を透明にする処理のことで、アバターを画面内に表示させるために活用します。
モーションキャプチャーソフト内で透過できる場合もありますが、OBS Studioのクロマキー合成機能を覚えておくとどのトラッキングソフトにも対応できて便利です。
クロマキー合成するは以下の手順で進めてください。
step
1アバターの背景を緑色にする
モーションキャプチャーソフトで背景を緑色に設定します。
緑色以外でもクロマキー合成できますが、人物やアバターを綺麗に抜き出すためには緑色が最適です。
ポイント
モーションキャプチャーソフト内で透明背景を設定できる場合は、緑色に設定する必要はありません。
step
2OBS Studioで「クロマキー合成」を選択

ソースからクロマキー合成したい項目(今回はアバター画面)を右クリックして「フィルタ」を選択します。
左下の「+」から「クロマキー」をクリックするとクロマキー設定の画面が表示されるので、詳細設定を進めてください。
step
3色キーを緑に設定

詳細設定から色キーを緑に設定します。
クロマキー合成では、画面から指定した色を抜き出して透明にしているため、背景に合わせて選択する色を変更しましょう。
ポイント
衣装やパーツに透過指定する色を使っていると同時に色が抜けてしまうので、類似性のパラメーターで調節してください。
ステップ5.配信画面を作成
VTuber配信では、アバター以外にゲーム画面や雑談背景が表示されています。
ここでは雑談背景の作成方法を紹介しますが、ゲーム画面にも応用できるので参考にしてください。
step
1アバターサイズの変更

ステップ4までの設定ではアバター画面が大きく表示されているため、配信用にサイズを調整します。
アバター画面の操作方法は以下の通りです。
アバターの位置変更 | アバターをドラッグ |
アバターのサイズ変更 | Altキーを押しながら画面端の四角をドラッグ |
アバター画面をドラッグすると位置を変更できるので、好みの位置に調整してください。
ポイント
アバターは上下左右に動くので、画面サイズに少し余裕を持たせておくのがおすすめです。
step
2背景を追加

アバター以外の画面を表示させるためには、新しくソースを追加しなくてはいけません。
ソースの追加方法は、ステップ3で紹介しているので参考にしてください。
ポイント
雑談背景の場合は「画像」ゲーム画面の場合は「ウィンドウキャプチャ」のソースを選択してください。
step
3レイヤー順を変更

紹介した通り設定していくと、雑談背景が一面に表示されアバターが消えてしまいます。
この現象は、アバター画面の上に雑談背景が表示されていることが原因なので「ソース」からアバター画面をドラッグして上に移動させます。
ポイント
OBS Studioでは複数の画面を合成して表示させており、ソース欄の上にある項目ほど前面に表示されます。
ステップ6.VTuber配信の設定
VTuber配信する際は、OBS Studioと配信サイトの設定をしなくてはいけません。
今回はYouTubeLiveを使った配信方法を紹介するので参考にしてください。
ポイント
YouTubeでライブ配信するためにはリクエスト送信が必要です。送信から24時間後に配信できます。
step
1YouTubeで「ライブ配信を開始」をクリック

YouTube公式サイトにアクセスして、赤枠の「ライブ配信を開始」をクリックします。
step
2ライブ配信の詳細を設定

上記画面が表示されたら「編集」をクリックしてタイトルや概要欄、サムネイルといった項目を設定します。
デフォルトでは公開設定が「非公開」になっていますが、このままではユーザーに表示されないため「公開」に変更してください。
設定が完了したら「保存」をクリックします。
step
3ストリームキーを作成

ストリームキーをコピーして貼り付けることで、OBS Studioから配信できるようになります。
ストリームキーとは、YouTubeで配信するためのパスワードのようなものです。
ストリームキーを作成するためには、上記画面から赤枠のメニューを開き「新しいストリームキーを作成」をクリックします。
分かりやすい名前を設定したら「作成」をクリックしてください。
step
4ストリームキーとURLをコピー

OBS StudioからYouTube配信する際は、以下の2つをコピーして貼り付けます。
- ストリームキー
- ストリームURL
赤枠の部分に表示されているので「コピー」をクリックしてください。
step
5ストリームキーとURLをOBS Studioに貼り付ける

OBS Studioを開き、以下の手順で進めてください。
- 設定から「配信」をクリック
- 「サービス」をカスタムに変更
- コピーしたストリームURLを「サーバー」に貼り付け
- 作成したストリームキーをコピーして「ストリームキー」に貼り付け
- 「適用」をクリック
ストリームキーもしくはURLが間違っていると配信できないので注意してください。
step
6配信開始をクリック

OBS Studioと配信サイトの設定が完了したら右下の「配信開始」をクリックします。
見た目だけでは配信できているか分かりにくいため、スマホや別の端末から確認するのがおすすめです。
ポイント
正常に配信できるか確認したい場合は、YouTubeの設定を「非公開」にしてチェックしてください。
OBS StudioでVTuber動画を録画する方法
VTuberとして動画投稿したい場合にもOBS Studioを活用できます。
ライブ配信のやり方を応用すれば簡単に録画できるので、以下の手順に沿って進めていってください。
step
1録画ファイルの保存先を設定

実際に録画する前に、動画の保存先を指定しておきましょう。
具体的な手順は以下の通りです。
- 設定から「出力」をクリック
- 出力モードを「詳細」に変更
- 録画タブを選択
- 「参照」をクリック
- 録画ファイルの保存先を指定
最悪の場合、録画データを見つけられず撮影し直すことになるので、分かりやすいフォルダを作って保存先に指定しておきましょう。
step
2出力音声の設定

出力モードを「詳細」に変更し、録画タブの「音声トラック」1と2にチェックを入れます。
ポイント
1と2にチェックを入れることでマイクとほかの音声を別々に録音できるため、録画時の音量調整が簡単になります。
設定が完了したら「OK」をクリックして画面を閉じてください。
step
3録画画面の設定
画面にソースを追加して録画画面をカスタマイズします。
画面の作り方はライブ配信の場合と変わらないので、すでに紹介したVTuber配信の方法を参考にしてください。
step
4録画開始

準備が整ったら右下の「録画開始」をクリックします。
見た目だけでは録画できているか判別できないため、数秒間テスト録画して音声や画面に問題がないか確認しましょう。

録画できていないという悲しいミスを防ぐためにもテストしてから撮影しよう!
保存先を指定せずに撮影すると、録画データがどこに保存されているか分からなくなってしまいます。
step
5録画データの確認

録画が終わったら「録画終了」をクリックします。
先ほど指定した場所に録画した動画が保存されていることを確認してください。
マルチトラックに対応していない再生ソフトを使うと、先ほど分けた2つの音声を同時に再生できないので注意してください。
ポイント
Windowsに標準搭載されている再生ソフトはマルチトラックに対応していません。
片方の音声しか再生されない場合は、出力音声を切り替えながらチェックしましょう。
step
6動画編集
録画した動画にカットやテロップを加えたい場合は、動画編集ソフトを利用します。
PC版、スマホ版と数えきれないほどの動画編集ソフトがあるため、なにを使うか迷っている方は以下のソフトを試してみてください。
- Filmora
- PowerDirector
カットやテロップ、簡単なエフェクトだけならスマホアプリからも編集できるので、編集内容に応じて使い分けるのがおすすめです。
まとめ:VTuber配信ならPCを使うのがおすすめ
本記事では、PCとWebカメラを使ったVTuber配信の方法について詳しく解説しました。
PC+Webカメラの配信は、もっとも一般的でVTuber配信の基礎ともいえる方法です。
対応しているモーションキャプチャーソフトも豊富なので、初心者の方はPC配信から始めてみてください。